2014年6月2日月曜日

【映画備忘録】 デンマーク映画 「偽りなき者」 


 「人を疑う自分自身を疑う」ということ。

2012年のデンマークのドラマ映画。トマス・ヴィンターベア監督、「007/カジノロワイアル」でタフな悪役を演じたマッツ・ミケルセン主演。クリスマスを迎えるデンマークの小村を舞台とし、集団ヒステリーの対象となった男性を描く物語である。2012年5月に開催された第65回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門で上映され、ミケルセンが男優賞を受賞した。





なぜ、真面目に生きてきた男が、こんなにも酷い仕打ちを受けなくてはならないのか。

現代社会の人の心の闇を表現した、悲しくも学ぶことの多き作品。

デンマークの小さな田舎町を舞台に、美しい自然とそこに生きる素朴な人々の普通の情景が、心安らぐひと時をくれる。


ただ、その美しい画と相反し、人から疑われることの恐怖と悲しさ、そして「疑う人」の安易で短絡的な判断基準に、ドキッとしてしまう。

その人の心の深淵を見ようとしない限り、人を疑うのは非常に危険なことだと気付かされます。

村人も皆、自己保身のために、その純粋な男を疑ってしまう。 


ただ、最後には彼の純真たる強さに感動せざるを得ない。


この作品を見て、今一度立ち止まって、人を疑う自分自身を疑ってほしい。


http://itsuwarinaki-movie.com/