2014年9月14日日曜日

【映画備忘録】 日本映画 「地雷を踏んだらサヨウナラ」

  「裏表のない心 と 東南アジアの暑さにも負けずもブレない情熱は、やはり人の心を動かし刻まれる」ということ。


1999年の戦場カメラマン「一之瀬泰造」の実話を基にした作品。
もう15年もの時が経っており、主演の浅野忠信は当時まだ25才という若さだ。

ただ、彼の白々しくも真実味のある演技は、昔から変わらない独自のスタイルだということに気づかされた。
そして、何よりもあまり年をとった感がないのが不思議だ(笑)



舞台は1972年、戦場カメラマンを目指すフリージャーナリスト「一之瀬泰造」は、カンボジア戦地にいた。

猪突猛進で少年のような性格は、現地の人々との垣根のない家族のような付き合いを生んでくれていた。
複雑な戦争背景を抱えたカンボジアにて、戦場写真を新聞社に売りながら、生計を立てていた。

フランス領インドシナからの独立、カンボジア内戦、ベトナムとの武力衝突、アメリカ・ロシア・中国の軍事介入、王政社会主義の崩壊、共産ゲリラ組織「クメールルージュ」の存在、ポル・ポトによる大虐殺、知的階層虐殺により14歳以下の人口の割合が85%、今の王国になってまだ20年程度。

 26歳と若くしてこの世を去った彼の生き様を、戦争の愚かさを表現しつつも、温かい人間模様が垣間見れる、心に残る一作。


よくある、「旅行をきっかけにこの国を知りました^^」とか「映画をきっかけにこの国を知りました^^」というノリで気軽に見てほしい。

井の中の蛙大海を知らず、にならないよう、映画を通して客観的に自国、自分自身を観察してみると、普段気付かない自分に気づくことができるかもしれません。


2年前に一人カンボジアのアンコールワットのある「シェムリアップ」という街を訪れた。

ゲリラ組織の聖地である「アンコールワット」を目指して死んでいった一之瀬泰造の足跡をたどったりもした。
映画に描かれている通り、経済格差がまだまだ埋まらない現地でも、地元の貧しい家族、子供たちはこころ豊かで穏やかだった。


地元の子供に案内をしてもらい、泰造のお墓の前で撮影。
(お墓の前での撮影は良くないですが。。。^^;)
地元の方々が訪れる人たちのために、ちっちゃな
ギャラリーを手作り。

泰造が駆け抜けたであろう、アンコールワットの裏手からのショット。


出入り口で小物を売る少女。

 5時間後にアンコールワットを出ると、まだ少女がそこに。
炎天下の中、疲れてしまったのか、カゴに顔をうずめて休んでいるようだった。

声をかけると、ぐったりした顔を持ち上げ、健気に笑顔を返してくれた。

もちろん、お土産を3つ買いました。
家族のために現金収入を確保するため、頑張るかわいい子でした。

アンコールワットのサンセット。
言葉では言い表せない幻想的なひと時だ。




日本のあるお寺が支援している児童養護施設でのひと時。
日本の児童養護施設の子供たちとなんら変わらない、屈託のないかわいい子たち。
教育も良く、礼儀正しい子供たち。

ただ現実、卒業後の社会への道に、輝かしい光が期待できるわけではない。

「孤児院」ではなく「児童養護施設」ということなので、少なからず経済状況は改善はしているのかもしれない。




是非訪れる際は、その国の歴史、文化、人々に直接触れ、体感し、本質を感じ取ってほしい。

日本で「苦労が多いなぁ」とか、「ツイてないなぁ」とか、「なんでこんな人生なんだろう」と思う前に、もっともっと苦労している人たちが大勢いることに気づくと、次の道がぼんやりと見えてくるかもしれません。


☆ 劇場版トレーラー
https://www.youtube.com/watch?v=TbWg27UKIcs

☆ 映画情報
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9B%B7%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%82%93%E3%81%A0%E3%82%89%E3%82%B5%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%83%A9

☆ スペシャルサイト
TEAM OKUYAMA(映画制作チーム)
 http://www.teamokuyama.com/taizo/jirai/